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一条の光

ここ数日間での新しい出会いと、古き良き時代の仲間たちとの邂逅に、心が微妙に動いている。

 新しい出会いは、授賞式で出会った人の一人だ。
 来年映像化されるドラマのもとになる人物を取材し、本を何冊も上梓した人だ。
 埋もれた歴史上の女性。
 その人物について熱く語るその顔は、多くの時間を取材と執筆に費やし、
 手ごたえをつかんだ喜びと熱で浮かされるように輝いていた。
 
 次は私のスピーチの番であるにもかかわらず、そのきらきらする瞳に魅せられて、夢中でメモをとった。
 
 ああ、何年ぶりだろう。情熱を帯びた目の輝きを見たのは!

 お歳はおそらく私よりもはるかに多そうに見えた。
 しかし、壇上からその熱を帯びた勢いが私に迫るようであった。

 「生きている」
 今をまさに生きている人だ。

 この人と会えただけでも、授賞式に出た甲斐があったと思う。

 会場には数百人いただろうか。でも彼ほど光を放っている人はいない。
 
 その光の矢が今も私の心に刺さったままでいる。

 彼から放たれた光が私に共振して力を得て増幅する。

  発信回路となった私という器。

 鳴らせ、鳴らせ、言葉の音を!
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