「まぁ元気だった?最近あきら君も忙しいようで全然お友達が遊びに来てくれなくて
うちのお店に何か用でもあったの?まあいいわ…お茶でも飲みましょうよ。
話は中で聞くわね。絵里ちゃん、お茶の用意をお願いね
reenex。
つくしちゃん、あゝこの人は私の秘書なのよ。絵里ちゃんこの人は
あきら君の高校のお友達なの、覚えて置いてね。さあ行きましょう。」
夢乃の何も言わせない強引な態度に驚きつつも
つくしはいつの間にか、お店のサロンでお茶とケーキをご馳走になっている。
流石、夢乃さんのお店だ豪華な作りになっていた。
でも想像してたリボンやフリル系の洋服はあまり置いていない。
「それで、つくしちゃんはうちのお店に何かご用があったの?」
「実は私、花沢物産に就職が決まって、スーツを選びに来たんです。」
「まあ、花沢物産?類君の会社ね・・・。つくしちゃん美作受けなかったの?
うちに就職すれば良かったのに。」
「はい・・・。偶々試験に受かったので・・・。」
「つくしちゃん、大学は英徳じゃ無かったのよね?あきら君が
そう言えば言ってたわ。何処の大学を卒業したの?」
「御茶ノ水です。」
「まあ、つくしちゃん優秀なのね。」
「そんな事は・・・。」
「もしかして、花沢の秘書課に配属されたの?」
「はい。そうなんです。」
「まあ、それはおめでとう。あそこの秘書課は難しいみたいよ。
つくしちゃんのスーツね。私からも就職祝いで用意させて貰うわね。」
「いえ、お金は支度金を頂いてるので・・・。」
「でも、あそこの秘書さんは先輩と服が被っちゃいけないとかルールが
厳しいのよ?そうだ新作のまだ出してないスーツやワンピースが
あるのよ、試作段階だけど・・・つくしちゃんのサイズならピッタリじゃないかしらね?」
「試作品ですか?」
「あら心配しなくても…大丈夫よ。試作品だから生地なんか割と拘って
作った物だから・・・。品は売り物よりもものすごくいいのよ。
サイズがあえば・・・。だけどね・・・。絵里ちゃん私の部屋から
サンプル作品を持って来て、それと合わせた靴とバックもお願い。」
「あの夢乃さん、靴やバックもデザインされるんですか?」
「バックと靴はイタリアの職人さんに現地で作って貰ってるのよ。
でもデザインは全て私なの・・・。ここは会社用のスーツやワンピースを
主に取り扱ってるけど、ドレス類は他にお店があるのよ
reenex。」
「そうなんですか、凄いですね。」
その後絵里さんが持って来たサンプルの服が20着
その中から1着を着せられると身体にピッタリと私に合う。
「まあ、つくしちゃんこのサイズがピッタリだわ。この服をお直しなしで
着れる人モデルにも居ないのよ。凄いわね~。絵里ちゃんもそう想うでしょう?」
同じサイズの中から夢乃さんがピックアップしたものを
次々に鏡の前で合わせてOKの出たものを絵里さんが綺麗にハンガーに
掛け持ち帰り用のケースに入れて行く。
気付けば大量のケースがそこに置いてあった。
結局お祝いだと言って夢乃に押し切られる様に
スーツ7着とワンピース5着それに合わせたバックを3つ靴を5足
揃えられプレゼントされた。
流石、人気の美作夢乃ブランドの服は着心地が凄く良い。
デザインもシンプルだけど、目立たないリボンやフリル
それにレースなどを使い、凄くお洒落なのだ。
試作品と言われたスーツもワンピースもつくしに誂えたように
ピッタリでお直しも無くその日に持ち帰る事が出来た
reenex。
ただ想ったよりも多くの服につくしが持ち帰るのは無理だった。